SPECIAL COLUMN

#12「幽霊と老化は認識したら負け」/妹尾ユウカ

私のコラムの読者の中には、意外なことに「恋愛経験が全くない」という方も多くいる。そういった方が私のコラムを読んで、面白いと感じるのだろうかと疑問に思うが、「異世界の話すぎて面白い」と皆同じように答えてくれる。相当、暇な奴らなのだろうか。『かいけつゾロリ』や『ぐりとぐら』でも読んでいた方がよっぽど有意義なのに。

人生から恋愛を差し引いたら?

「恋愛」というものをこれまでの人生から差し引いた場合、私には何も残らない。仕事すらもこうして恋愛経験の延長線上にあるため、文字通り本当に何も残らない。なんだか悲しいことのようにも思えるが、人生の主軸となるものを差し引いたら何も残らないというのは当然のことなのかもしれない。むしろ、それを差し引いたら何も残らないほど、全力を注いできた証拠でもある。恋愛って最高だ。

誰かを思い浮かべながら服を選ぶ試着室。教わったばかりの曲が、あっという間にお気に入りの曲に変わる帰り道。他人と向き合いぶつかる過程で、自分をよく知ることになる。恋をするだけで世界が変わる。やっぱり恋愛は最高だ。

女は恋愛市場に何歳まで居座れるのか

しかし、そんな最高の娯楽をいつまで主軸にしていられるだろうか。今、私の身近にいる恋愛を楽しんでいる女の最高齢は35歳。野生のヒグマならもう寿命だが、まだまだ持ち前の美貌でイキイキとしている。先日も胸にヒアルロン酸を注入して、たわわボディの維持に勤しんでいた。
恋愛市場において、"美人な35歳"に十分な需要があることは分かるが、自分がアラフォーに差し掛かった時、彼女と同じような精神力で恋愛市場を駆け回ることは出来るだろうか。本当に需要があったところで、自分自身が年齢に引け目を感じて、自重してしまうのではないのだろうか。

昨夜はそんなことを考えていたのだが、既に今の自分は恋愛市場から退いていてもおかしくない条件下にいるにも関わらず、図太く居座り続けていることに気が付いた。自分でもすっかり忘れていたが、私は25歳のバツイチである。おまけに子持ち。普通ならば、恋愛を楽しむことはもちろん、それに発展するような出会い自体とも縁が薄れていくのだろう。それなのに、私は今でも「恋愛を失ったらなにも残らない暮らし」を続けている。22歳で離婚をしてから、この約3年間で3人の男と交際、その倍以上にあたる男たちとデートをしたり、セックスをしてきた。バツイチ子持ちの恋愛事情に皆が興味があるかは分からないが、これからその一部をお話したいと思う。

妹尾ユウカ

独自の視点から綴られる恋愛観の毒舌ツイートが女性を中心に話題となり、
『AM』や『AERA.dot』など多くのウェブメディアや『週刊SPA!』『ViVi』などの雑誌で活躍する人気コラムニスト。
その他、脚本家、Abema TVなどにてコメンテーターとしても活動するインフルエンサー。

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