お楽しみはツケ払い?

しかし、こういった自由にはきちんとツケのような責任が伴う。今の私の歯を例にして言えば、寿命は10年から20年とされているし、この人工的なフェイスラインにもメンテナンスは欠かせない。だから、それを見越した蓄えを持つ必要があり、今限りの安直な判断だけで手を出すことはおすすめ出来ないのだが、近い未来の自分を思いやることもなく、無責任な決断に至る人は多くいる。

パパ活でLady Diorを買ってもらった程度で、満足気に港区をのさばっている奴らもよく聞け。今を生きることには20代後半で死なない限り、どう足掻いても責任が伴う。おまけにそのしわ寄せは、年を重ねて今ほどのエネルギーや周囲からの手助けがなくなった時に必ずやってくる。だから、今お前たちの手元にある脱税マネーはただのラッキーだったと思うべきであり、それをアテにして追い求め続けるのは極めて愚かである。お前たちの若さと可愛さに価値を感じているオジ達の収入は年々上がるのに反比例して、お前たちは年々歳を取り、今の可愛さを維持することは難しくなる。そして、下からは次々と若くて可愛い今のお前らのような子たちが出てくるからだ。

貯金の代わりに出来る事

話が逸れたが、「いつ死ぬか分からないから」「今が楽しいから」といった理由で、今をただ生きてしまうのではなく、何十年後にも今の暮らしや今以上の暮らしが出来るための努力を本当にしておいた方がいい。

たとえ、現実的に貯金ができないとしても、今この瞬間から無料で出来る貯金のようなものがある。それは、大切な人に優しい言葉をかけることだ。それによって、二人の関係がその時々で豊かになるのはもちろんのこと、もし相手がいつか自分にとって憎い相手に変わってしまった時でも、あなたの贈った優しい言葉はいい働きをしてくれる。復讐を考える必要もなく、あなたの手を汚すこともなく、優しい言葉は別れと共に相手に痛みを残してくれる。

明日、もしもあなたが生きていなかったとしても、それでもまた優しい言葉はいい働きをしてくれる。贈った言葉は相手の心に残り、いつまでも思い返してもらえる。優しい言葉というのは、贈られた相手が思い返して苦しくなるほどの武器にもなるし、生きていきたいと思えるほどの勇気や希望にもなってくれる。だから、大事な人にはなるべくたくさん優しい言葉を贈って欲しい。人に贈った優しい言葉は、未来の自分を守るための資産になってくれるはずだから。

妹尾ユウカ

独自の視点から綴られる恋愛観の毒舌ツイートが女性を中心に話題となり、
『AM』や『AERA.dot』など多くのウェブメディアや『週刊SPA!』『ViVi』などの雑誌で活躍する人気コラムニスト。
その他、脚本家、Abema TVなどにてコメンテーターとしても活動するインフルエンサー。

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