SPECIAL COLUMN

#17「私が強靭なメンタルをもっている理由」/妹尾ユウカ

「なぜ病まないんですか?」「どうしてそんなに自己肯定感が高いんですか」
今年、インスタの質問回答に最も多く寄せられた質問は、この2つできっと間違いない。これらに次いで多かったものは「ファビュラス」「最近、いつセックスしましたか?」である。

一体、私はなぜ病まないのか。なぜ整形をした程度で自己肯定感を高く持ち、イキリ散らかしているのか。今年、最後の連載はこれについて話そうと思う。

「どうなるか」だけを淡々と

病まない理由その1は「最悪の事態を想定できているから」である。ヘラヘラ恋愛をして、その経験談をwebや本などで綴り、カメラの前では面白おかしく喋る。主にこれらが私の仕事なのだが、いつ出来なくなるかは分からない。もちろん、退職金も有給もボーナスもない。需要がなくなれば、文字通り「そこでお終い」のとても不安定な仕事である。しかし、その事について漠然とした不安を抱き、夜な夜な「どうしよう」と考えることはない。「どうしよう」と思えば思うほど不安に苛まれてしまうので、常に「どうなるか」だけを淡々と考えている。

日本で暮らしている限り、貧困の危機に遭うことはあっても、飢餓の危機に直面することは中々ない。だから、仕事さえ選ばなければ、生きていくことはいくらでも出来る。例えば、Uberの配達員になり、タワマンに配達料・サービス料込み1500円の卵1パックを届けたり、美容部員になって、タッチアップ乞食と戦ったり、寿司屋でアルバイトをして、入り口から席までの数メートルを歩くだけの客にマスクの着用をお願いしてみたり、いざとなれば生活保護の不正受給をしてみたり。最後のは本当に良くないが、いざとなればこういったことをして懸命に生きていくだけなのだ。

恋愛だってそう。「振られたらどうしよう」ではなく、振られたら元に戻るだけ。最悪の事態が起きるのではなく、ただ元に戻るだけ。一人の自分に戻るだけ。常に「どうなるか」が分かっているだけで、漠然とした不安からは多少なりとも解放される。

妹尾ユウカ

独自の視点から綴られる恋愛観の毒舌ツイートが女性を中心に話題となり、
『AM』や『AERA.dot』など多くのウェブメディアや『週刊SPA!』『ViVi』などの雑誌で活躍する人気コラムニスト。
その他、脚本家、Abema TVなどにてコメンテーターとしても活動するインフルエンサー。

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