悪いところを治すよりも良いところを伸ばせ

先日、なんの映画だかは分かりませんが、女がおそらく意中の相手である森山未來に対して、「悪いところは全部治すからああああ」と泣いてすがる映像がTikTokで流れてきたのですが、別に悪いところを治したからといって好かれるわけではないんですよね。だって、悪いところがあるというのはマイナスがあるということなので、それを治したところでマイナスがゼロになるだけですから、当然、プラスの作用はありません。とはいえ、治せるなら治すに越したことはありませんが、良いところを伸ばす方が"好かれる"という観点においては優れています。

結局モテるのは喜び上手な女

生い立ちなんかも関係しているのかもしれませんが、尽くすことで愛してもらおうとする女がいます。自分の魅力の低さをとにかく尽くすことでカバーしようとしているのでしょう。そして、愛とは自己犠牲に近い奉仕の見返りとして、やっと得られるものだと勘違いをしているのでしょう。

男を喜ばせるのが上手なのもいいですが、巷で愛されるのは喜ばせ上手な女よりも喜び上手な女です。これはシチュエーションがベッドであってもそう。なにかしてもらった際に、遠慮や謙遜をする謙虚な女よりも、全力でご好意を受け取り、少しオーバーなくらいに喜ぶ女が可愛がられるのが現実。「また喜ばせてあげたい」と思われるのは喜び上手な女です。

支配・統制できるのは愛よりも恐怖

「浮気をしても、最後に自分のところに戻って来ればいい」という肝の据わったスタンスの女性に憧れを抱く気持ちは分かります。しかし、私たちは梨園の妻ではありませんし、本当は浮気をされたりぞんざいな扱いを受けたくないというのであれば、ハッキリと「ナメたら殺す」と言っておいた方がいいです。無難なのは「あなたがテキトーなことをしないって分かっているよ」と相手に期待と信頼がある姿勢を見せることですが、いつの時代もなにかを完全に支配・統制できたのは、愛ではなく恐怖です。いかに愛しているかを語るよりも、裏切ったらどうなるかをきちんと分からせておく方が効果的です。とても例えが悪いですが、犬が留守中に家を散らかした際に「どうしてこんなことをするの?」と悲しむよりも、「お前ふざけんなよ今日はメシ抜きな」と教育された方が悪戯が繰り返されないのと同じです。

ちなみに一番最悪なのは「どうせ裏切るでしょ」といったスタンスで相手と向き合ってしまうこと。自分に期待や信頼をしていない相手を裏切ることは容易にできます。「君には期待しているよ!」と肩を叩いてくれた上司と「まあお前にはできないと思うけど頼むわ」と言い放った上司。誰しも前者の期待には応えたいと思うはずです。もちろん、仕事においては「後者をギャフンと言わせてやりたい!」という思いが湧くこともあると思いますが、「期待に応えられなかったらどうしよう」といった不安や、果たさないことへの罪悪感はないはず。なので、前者のように期待や信頼をしている姿勢を見せることが、裏切られないために必要な先手必勝の一撃となります。

妹尾ユウカ

独自の視点から綴られる恋愛観の毒舌ツイートが女性を中心に話題となり、
『AM』や『AERA.dot』など多くのウェブメディアや『週刊SPA!』『ViVi』などの雑誌で活躍する人気コラムニスト。
その他、脚本家、Abema TVなどにてコメンテーターとしても活動するインフルエンサー。

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